日本にクラスター爆弾は必要か

日本はどこへ行こうとしているのか


航空自衛隊がクラスター爆弾を総額約148億円分購入し、現在も保有

クラスター爆弾は対人地雷の規制外 政府見解を閣議決定
 政府は9日、イラク攻撃で米国が使用したクラスター爆弾について、「地雷とは使 用目的、使用方法を異にし、不発の子爆弾の状態もさまざまと考えられることから、 一概に両者を同列に論ずることは適当でない」との見解を閣議決定した。


クラスター爆弾といえば
その残虐性のために、核兵器、劣化ウラン、生物化学兵器等と並んで、非人道兵器として1996年の国連人権委員会の決議において使用禁止の対象に挙げられているものです。

広範囲に飛散することから不発弾処理に時間がかかり、戦後復興の重大な障害となるとの問題も指摘されていて、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の運用をめぐる交渉でも、規制が検討されているものです。

国際赤十字は、2000年9月にクラスター爆弾の国際的な禁止を要求しています。

1999年にノーベル賞を受賞したフランスの組織、「国境なき医師団」は、クラスター爆弾が無差別兵器であり、かつジュネーブ協定に触れていると指摘しています。

アムネスティーも、イギリスのダイアナ記念基金も、地雷禁止国際キャンペーンもクラスター爆弾の使用中止を求めています。

クラスター爆弾は、車両や人を対象とする無差別兵器です。アメリカ軍によってアフガニスタンでもイラクでも使われ、民間人にも犠牲者を出しました。

多様な種類のうちの代表的なものを例に取ると、投下高度にもよりますが200個以上の子爆弾が約200×400メートルの範囲に飛散します。 子爆弾が爆発すると、鉄の破片が空中を埋め尽くし、車両を破壊し人を殺傷します。広範囲にばらまかれるため、あらゆる方角から爆風が襲い、逃れることは困難です。
しかも子爆弾の5%以上が不発のまま残り、地雷となって、戦後も長期にわたって何の関係もない人を殺したり傷つけたりします。


戦闘機F-15のマニアの方のコメントによると
「これらクラスター爆弾は地上で爆撃を受けると想像も出来ない地獄絵図になります。 多数の子弾の破片で木に人が貼り付いてしまったという聞くだけで気分が悪くなりそうな話もあり、 あまりの残酷さから廃止すべきとのこえもあがっているぐらいです。私事になりますがビデオでクラスター爆弾の炸裂を見たときは背筋が凍りました。」

紛争解決の手段として武力行使を認めないはずの日本が、なぜこれほど批判の高い非人道的な兵器を持っているのでしょうか。
またクラスター爆弾は、仮に日本がミサイルなどで攻撃を受けた場合に、相手国の軍事施設を破壊するのには不向きです。 一つ一つの子爆弾の破壊力は、他の通常爆弾に比べると大きくはないからです。あくまで広範囲の車両・人間に被害を与えるためのものです。
専守防衛のはずの日本が、いったいこの兵器をどう使うのでしょう。


政府はそれを、敵が日本に上陸したときに使う、つまり日本国内で使うと答弁しました。
自衛隊は、敵の着上陸侵攻に対処するため、通常爆弾では撃破できないような 広範囲に展開した侵攻部隊の車両等を撃破し得る能力を持つことを目的としてク ラスター爆弾を保有している。
(参議院議員小泉親司氏提出クラスター爆弾に関する質問に対する政府答弁書)

政府は本気でこんなものを、日本国内で使うつもりなのでしょうか。
下の資料をお読みになって、これが自国内で使うようなものかどうか、考えてみてください。

資料:クラスター爆弾ってこんなもの

クラスター爆弾
http://f15.hp.infoseek.co.jp/cbu.html
http://homepage3.nifty.com/weapons/cluster.htm
html http://www.saitama-np.co.jp/main/rensai/kokusai/afghan/02.html

クラスター爆弾の現実 「今日落とし、明日殺す」
http://www.jca.apc.org/banmines/framework/cluster/mennotite.html

クラスター爆弾の犠牲になった男の子(ラオス)(ショッキングな写真ですのでご注意ください)
http://www.itvs.org/bombies/bombs.html



アフガニスタンに対して展開する他国の軍に給油をおこなっていること、
国会での議論を無視して、閣議決定さえ経ずにインド洋へイージス艦派遣をおこなっていること、
アメリカのイラク攻撃に対して見せた先制攻撃への抵抗感のなさ、
これらの日本政府のありかたをみていると、
自国でありながら、私は日本がこのような兵器を保有することに不安を覚えずにはいられません。
北朝鮮を初めとする、日本に侵略された記憶を持ちつづける国々にとっては、
これはなおのこと、脅威に感じられるのではないでしょうか。

日本はどこへ行こうとしているのか。
どんな国になろうとしているのか。
私たちは日本がどんな国であればいいと考えるのか。
有事法制案が国会で審議されている今こそ、私たちはこれらのことをしっかりと考える必要があるのでは ないでしょうか。
引き返せないところまできて、「なぜあのとき・・・」と悔やまないためにも。


私たちの「声」のあてさき

有事法案(武力攻撃事態への対処に関する特別委員会)委員名簿
htmhttp://www.oocities.org/ceasefire_anet/misc/yuji_committee.htm

政府に対する苦情受付窓口
http://www.oocities.org/ceasefire_anet/misc/kujo.htm

新聞社
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/4586/media/j_news_area.htm


イラクでのクラスター爆弾の被害

攻撃が終わっても被害は続く・・・犠牲者の半分は子ども
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-04-21/07_02.html
このページのすべての文責と引用の責は吉田まきこにあります。