イラク攻撃を考えるページ
有事法制について考えよう


イラク攻撃空母・キティホーク給油からみえること

―望まないのに参戦させられる私たち―


いったん戦争になってからどんな強い軍隊で応戦するよりも、
戦争をしなくてすむのが一番。
ほかの国から敵と思われないことが一番の安全保障のはずです。

でも私たちは、望んでいない戦争に協力させられ、イラクの人々にとっての敵になりました。
横須賀を母港とするアメリカの空母キティホークは、イラク南部への爆撃行動に参加中だったのに、
自衛艦「ときわ」はキティホークに補給するアメリカの補給艦に給油したのです。
海上自衛隊の曹長によると、
「230回以上の給油を行い、600人以上がイラクの自由作戦に参加した」のだそうです。
給油作業の経費も、与えた燃料の代金も、私たちが税金で負担したことになります。
その後キティホークはペルシャ湾に入り、
その艦載機は、イラクの人々の上にクラスター爆弾やバンカーバスターを投下しました。

しかし実は日本の法律は、そんな給油は認めていません。
給油の根拠となっているテロ対策特別措置法は、
イラク攻撃にかかわる給油を認めていないのです。
しかも給油場所は、自衛艦は入ってはいけない戦闘地域、オマーン湾でした。
政府は明確に法律を破っています。

また、そもそも日本に母港のある空母が、イラクを攻撃したことも問題です。
日本に米軍基地を置く根拠、日米安保条約第6条には
「日本の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」
と書かれています。
中東を攻撃するために、日本に米軍基地を置いているのではないのです。

ガイドライン、新ガイドライン、周辺事態法と、
日本とアメリカの両政府は、条約をなし崩しに拡大しながらここまできました。
あげくの果て、私たちは否応なしに戦争に協力することになり、
世界に敵を作ってしまっているのです。


キティーホークに中東出動命令
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/umi/kittyhawk/kitty0302b.html
「空母キティーホークと搭載の第5空母航空団、陸軍第101空挺師団に対し、ラムズフェルド国防長 官は6日(日本時間7日)、湾岸地域への出動を命じたと米軍当局者が語った」(ワシントンポスト)
「キティーホークは7日(日本時間8日)中にもイラク戦に備えてペルシャ湾に向かう命令を受けるだ ろう、と匿名の当局者が語った」(ロイター)
沖縄・ホワイトビーチに1月30日から2月1日まで寄港していたタンカー・ラパハナックは、2月4 日に佐世保に入港し、燃料を満載して待機していたが、8日早朝、佐世保を出港した。ラパハナックは キティーホーク艦隊の給油を担当して、キティーホークが横須賀を出た時から随伴している。沖縄近海 の空母艦隊と合流するまで約一日かかるから、キティーホークは早ければ9日にも中東に向け南下を始 めると思われる。(2003年2月8日) 在日米軍基地を抱える自治体の議員5人で運営するHP「追跡!在日米軍」)

艦載機が最大規模の空爆 米空母キティホーク
http://www.sankei.co.jp/news/030329/0329kok123.htm
 ペルシャ湾北部に展開している米空母キティホークの海軍当局者は29日、艦載機23機が 28日午後から29日未明にかけて、2000ポンド(約900キロ)のバンカーバスター6 発を含む計46発の爆弾を投下した、と発表した。同空母艦載機が1日に投下した爆弾として は、開戦後最大規模となる。
 投下されたのはバンカーバスターのほか、レーザー誘導爆弾26発、クラスター(集束)爆 弾の一種であるJSOW8発、誘導装置のない爆弾6発だった。(共同)(産経新聞2003年3月29日)

キティホークが横須賀帰港
http://www.sankei.co.jp/news/030506/0506sha020.htm
 イラク戦争に参加した米空母キティホーク(83、960トン)が6日朝、事実上の母港の米海軍横 須賀基地(神奈川県横須賀市)に帰港した。1月23日の出港以来、103日ぶり。  米軍関係者によると、キティホークは今後、横須賀基地内のドックで定期的な修理を受ける。(産経新聞2003年5月6日)

海自が燃料を間接補給  イラク戦争参加の空母、横須賀帰港
http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003may/06/CN2003050601000130A1Z10.html
 米海軍第五空母群のマシュー・モフィット司令官は、キティホークの機動部隊がイラク戦争中、 海上自衛隊から間接的に洋上で約80万ガロンの燃料補給を受けたことを報道陣に明らかにした。(京都新聞 2003.05.06)

統幕議長「キティーホークへの“間接”燃料補給」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20030509AT1E0800L08052003.html
 石川亨統幕議長は8日の記者会見で、イラク戦争に参加していた米空母「キティホーク」への 間接的な燃料補給について「キティホークが2月25日に米補給艦から受給する前に、海上自衛隊 はその米補給艦に補給している」と述べ、その可能性を認めた。
 統幕議長はキティホークがアフガニスタンのテロ掃討作戦に参加していたことを理由に、間 接的な燃料補給の正当性を強調したが、米軍がイラク戦争のためにキティホークをペルシャ湾 に派遣したのは周知の事実。防衛庁内でも「キティホークがテロ掃討作戦に参加していたとは 初耳」との声がある。(日経新聞 2003年5月9日)

海自補給艦 複数任務の米艦船に給油容認
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-17/02_02.html
 海上自衛隊の補給艦が、イラク戦争に参加していた米空母キティホーク機動部隊に間接給油を行って いた問題で、石破茂防衛庁長官は十五日の参院外交防衛委員会で、同部隊が「複数の任務を同時遂行す ることはありうる」と答弁。対テロ作戦のほかに、複数の任務を持つ同部隊への給油を容認しました。
 海自補給艦による給油は、テロ対策特措法にもとづき、アフガニスタンでの対テロ作戦に参加する軍 隊に限定されています。(しんぶん赤旗2003年5月17日)

230回以上の給油を行い、600人以上がイラクの自由作戦に参加
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-23/01_04.html
 “海上自衛隊艦船がイラク戦争から帰還”―。二十日にインド洋から海上自衛隊横須賀基地に帰港したイージス護衛艦「きりしま」など海自艦船三隻について、 米海軍横須賀基地の機関紙「シーホーク」二十三日号は一面トップで、こう報じました。
 海上自衛隊の曹長が「『ときわ』は同盟軍の艦船に二百三十回以上の給油を行い、六百人以上がイラクの自由作戦に参加した。『きりしま』、『はるさめ』が持つ 高度な通信能力は、イラクの自由作戦の期間中、同盟軍の艦船を大いに助け、高い有用性を証明した」と述べた、と報じています。


この事件は、私たちに教えてくれます。
日本政府は、法律をなし崩しに破ってでもアメリカ政府に協力しようとするということ。
「日本の安全のため」といって始まった条約が、アメリカの侵略戦争のために使われ、
日本を狙われても仕方のない国にし、逆に危険を呼び寄せているということ。
いったん法律を作ってしまうと、拡大解釈で適用されるのを防ぐのは難しいこと。

はからずもイラク攻撃に協力させられてしまった私たち。
しかし、「知らなかった」で済ませるわけにはいきません。

日本政府の責任を追及しましょう。
法を破ったり、拡大解釈したら本気で怒りましょう。
そして、これ以上アメリカ政府の戦争に協力させられる法律をつくらないよう、
適用を政府の判断に委ねるような法律をつくらないよう、
出てくる法案には十分注意しましょう。

そうして少しずつでも実際の行動で示していかなければ、
私たちがイラク攻撃への参加を望んでいなかったということは、
もう誰にも通用しないかもしれないのです。

アメリカの戦争に、日本の国土・施設・物資・労働力を、強制力を持って提供する、有事法制について 知っていますか? 日本を守るための法律、と漠然と思っていませんか?

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 有事法制について誤解されている2,3のことがら
 

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230回以上の給油を行い、600人以上がイラクの自由作戦に参加
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-23/01_04.html

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http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/4586/media/j_news_area.htmにあります。

このページのすべての文責と引用の責は吉田まきこにあります。


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