許される罪 第 3 話 三流小説そのものです。 もちろんほとんどフィクションです(爆) |
Feb/20/2002 |
メ イ ン ペ ー ジ へ ♪ |
Go to main page |
育った環境なのか、または持って生まれた性格なのか私は常に "良い子 "で世間体を気にする世代の親に迷惑をかけたりする様 な事はなかった。 自由に恋愛を繰り返したり、人が眉をひそめるような服装をし たり、また人の批評を気にせず本音でものを言ったりと、こう いう友人らが多少は羨ましかったが "良い子"でいることにそれ ほど不満は感じなかった。 (そんなに良い子でいなくてもいいんじゃないの?一体誰の為何 の為の人生?) 時にこんな自問をしてもはっきりとした答えは出ず、かといっ て自由奔放に欲望に対して素直に生きる事へのあこがれはある のだがそれを実行する勇気はなかった。 結局はこの勇気のなさが劣等感を生んだのだが・・・ 話題も豊富で楽しく、それなりにチャレンジ精神もある私は友 人も多く異性にも人気があった、しかし彼らを友人以上の関係 にさせない何かが私にはあったようだ。 そのせいか初めて面と向かって好意を示してきてくれた夫の物 おじしないアメリカ人気質は私には新鮮な驚きだった。 私にとって人の期待を裏切ることなど考えられもしない事なの で外国人の夫との結婚はそれまでの私の人生で初めて親を困惑 させた大事件であった、だが夫の誠実な人柄と落ち着いた態度 はすぐに私の両親の信頼を得てしまい私が思っていた様な大事 には至らなかった。 その誠実な夫が 2 年間にわたってわたしを裏切っていた事が結 婚 6 年目にわかった時はそれまで信頼しきっていただけにかな りのショックでそれ以来わたしの心の奥深くにあった劣等感は ますます大きくなっていた。 私のプライドが離婚を踏み止まらせたということもあったが 結婚を喜んでくれた両親を裏切りたくなかった、娘の幸せを信 じている親に夫を悪く思わせるわけにはいかない、周りに自分 の悩みを悟られる事は当時の私にとっては恥ずべき事だった。 夫はその後相手の女に他にも男がいたことがわかり彼女とは別 れた。夫の心の奥までは見えないが、それ以来夫は私にたいし て以前にも増して誠意を尽くしてくれるようになった。 しかし裏切りによってできたた私の心の隙間は私自身どんなに 努力しても埋めることができず私を苦しめた。 アメリカに移って慣れない環境で夫に頼るしかなかった当時に 比べて今の私は仕事をしているせいか少し自分に自信が持てる ようになった。 無口な彼との出会いは自分以外のものに興味が持てるようにな った余裕と過去の夫の裏切りによって傷付いた心の隙間にごく 自然に入り込んできた。 私は相手もやったからやり返すという考え方は否定する一般的 なモラルも持っているほうだと思っている。 しかし人を好きになるという感情はモラルや規則でコントロー ルできるものではない。 時には自分で自分の気持に気付かない事さえある。 彼との出会いがまさにそうだった、彼のまわりの静かな空気が 気になっただけ・・・のような気がする。 週末に彼と映画を見に行く約束をしてから私はソワソワと気分 が浮き久しぶりに生活以外の事で頭の中が一杯になっていた。 私の変化に夫は気付いたが嬉しそうな私の様子に夫は内心喜ん でいるようだった、妻が不機嫌でいるよりは機嫌良くしてくれ ているにこしたことはないのだろう。 不思議だがこの時何度もふっと夫に彼と映画に行くという事を 言ってしまいそうになり戸惑った、それほど無邪気な感情だっ た。 彼からの初めての電話で私は現実に目覚めた。 土曜日の午後 2 時に例のバス停前で会う約束だけの短い内容だ ったが彼の声を聞いた時とっさに夫が留守中という事に安心し た、そしてその時に私は自分の気持と置かれている立場を改め て自覚した。 つづく |
(前回のあらすじ) 夫がある身でありながら自分に好意を抱いているらしい年下の男 と何の罪悪感もなく再会の約束をしてしまう。 そして、何かが彼女の心の中で変化していくのを感じる |
( 以前のストーリー) |
タイポ指摘委員会長 ( Roko ) よろしくネ♪ (爆) |