作曲論
音楽のよしあしを聞き分けられれば、曲は作れる。いいリズム、心にぴんとくるリズムを感じられたら、その感性こそがその人の音楽的なセンスであり、才能である。曲作りは、音符を並べるだけなので、適当につなげて、いいリズムと感じるものを選び、違和感のある音を捨てれば、曲となる。
しかし、どのようにメロディを作ればよいかわからない人がいると思う。メロディ作りには、こつがある。それを記してゆきたい。
メロディの作り方
ひらめきと組み立て---リズムは思いつくものだ。リズムが心にある瞬間に浮かぶ。それをつなげてゆく。という作曲家が大半。しかし、論理的に作り出す方法もある。コードの型どおり作る方法。さらには、音は7音しかないから、次の音を一つずつ7つの中から、選び、つなげてゆく根気のいる方法がある。
いつ思い浮かぶのか?--これはひらめき、直感、アイデアが思いつくメカニズムを知らなくてはいけない。どんなメロディがほしいかぼんやりとイメージする。そしてしばらく待つと、突然思いつく。心軽くしていれば、思いつきやすい。本当は、メロディは人が運んでくる。だから、家にじっとしていてもなかなか思いつかない。交通量の多い場所ならば、たくさん思いつくが、そうでないならば、ほとんど思いつかない。街角を歩き、車で走っているほうが、たくさんの人と出会うので、メロディは思いつく。
基本となるメロディが思いついたら--
最初の音を決める--最初のリズムが肝心だ。それが気に入らないもの、違和感のあるもの、自分の要求に合わないものならば、捨てること。そして、いいものだけを選ぶ。そして、決める。後は、そのメロディのイメージに合うリズムをつなげてゆく。メロディをつなげてゆくことを、私は展開と読んでいる。この方法には、ある一定のパターンがある。
本にはコード進行がどうたら書いてあるが、私はまだコードは正確にはわからない。コードを聞き分ける感覚はあるけど。
メロディ作りの基本について---次の音は、たいていはドレミファソラシドの7音しかないので、そこから選ぶ。音の高低でいうと、次の音は、ドドと同じ音を重ねるか、ドレと音が上がるか、ドシと下がるかの三つしかない。音をつなげて、違和感がなければ、それを選ぶ。メロディの部品は、ドレミファソ、ドミソなど、上がるものと、ドシラソファやドソミなど下がるもの。ドシラシド、ドレミレドなど山形のものなどある。それらを組み合わせる。
次のリズムを決める--基本のメロディが思いついたら、次の音が何がくるか。これは音楽の経験があるとわかるもの。ここがセンスである。が、低音のラップで、ラドラドラドーーとくれば、次のリズムは、ミから始まるに決まっている。この感覚が大事なのだ。そして、次は、ミの音からどんなリズムを作ればよいか考えればよい。この感覚をわざと、外して、違う音を選ぶこともできるけれども、名曲にはならないけども、ポップスとしては世間で通用するものはできるだろう。もちろん、ミの音から始まるリズムはないかなと想像して、しばらく待つ。
さらに次を決める。次も同じようにして決める。このようにして、1章節ずつつくってゆくと、短い曲は24小節ほどで完成する。中くらいもので、32小節、長い曲で64小節のメロディを作る。それで次に歌詞をつけたら、いい。さて、メロディのモチーフを決めたら、次の音をどう展開すればよいだろうか。
これらメロディの展開の方法について、基本的なパターンがある。
AB AB`という形式----
A--ラドラドラドーー 、B--ミソソミミソーー
とくると、次も最初は同じリズムがきて、次は、まとまりのある音で決める。
A--ラドラドラドーー 、B--ミソソミミラーー
最初の音を下げてゆく形式----ABCD(最初の音が一つずつ下がる)
A--ラドラドラドーー B--ソシソシソシーー C--ファラファラファラーー D--ミソミソミソーー
上がったり下がったりするもの---これはコード進行が複雑なものだが
ラドレミー(上がり) レドレミー(上がり) ミフソフー(上がり) フミレミー(下がり)
三つのリズム形---二つのリズムは同じだが、三つ目のそれを変える方式
ABC ABC`
A--ドドソラ B--ミフソミ C--フミフソラーーー A--ドドソラ B--ミフソミ Dフミレミドーーー